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牛肉編

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牛肉が食卓に届くまで(農場編)

繁殖農場

①繁殖

雌牛に人工授精をして約285日後、約35kgの子牛が産まれます。

②哺育・育成

飼料を十分に与え、運動させて健康な体作りをし、生後8〜10ヶ月で子牛市場に出荷されます。

子牛市場へ出荷
肥育農場

肥育

子牛市場で買った牛を約20ヶ月かけて美味しいお肉がたっぷりつくよう育てます。体重約600〜900kgになると出荷されます。

飼料を食べている
動画はこちら!

牛肉が食卓に届くまで(と畜〜加工場編)

出荷サイズまで育った牛はと畜場へ運ばれて枝肉(下図①)になり、専門の職人さんによって素早く丁寧にカットされ、スーパーや小売店、飲食店へ運ばれます。こうしてみなさんの食卓に届けられるんですね。

  • ①枝肉加工・熟成

  • ②脱骨・整形

  • ③包装

  • ④冷却処理や箱詰め

  • ⑤出荷

  • ⑥飲食店やスーパーへ

牛肉の違い(産地)

スーパーで販売されている牛肉には様々な違いがありますが、大きな違いのひとつは牛肉の「産地」です。
国内産の牛肉は「和牛」「国産牛」などと表示され、アメリカやオーストラリアから輸入された牛肉は「輸入牛」などと表示されています。それぞれ育った環境や牛の品種が違うため、価格や味・食感が異なります。

一般的な管理方法

日本と海外の違い
和牛・国産牛
輸入牛
環境

牛舎

広大な区画

環境
配合飼料、牧草、稲わら
とうもろこし等穀物が主体
個体識別番号※
あり
なし
主な品種
黒毛和種、ホルスタイン、交雑種(F1)
アバディーン・アンガス、ヘレフォード
※個体識別番号とは ※個体識別番号とは

※個体識別番号とは
全ての国産牛は個体識別番号で管理され、牛の生産履歴(出生地や生産者等)を調べることができます。牛には“耳標”に、牛肉にはラベルに個体識別番号が記載されていますので、国産牛肉を購入した時には家畜改良センターのホームページで検索してみましょう。

牛肉の違い(品種)

牛肉の違いには牛の品種もあります。ここでは国内で流通する代表的なものをご紹介します。
日本のスーパーや小売店で「和牛」と表示されているものは黒毛和種であることが多く、「国産牛」と表示されているものはホルスタインの去勢オスや、黒毛和種とホルスタインの交雑種であることが多いです。

肉用種
乳用種

黒毛和種

アバディーン・アンガス

ヘレフォード

ホルスタイン

原産地
日本
イギリス、北スコットランド
イギリス、ヘレフォード
オランダ、ドイツ
特徴
和牛の約9割
毛色は黒褐色
毛色は黒色
角がなくて足が短い
毛色は赤褐色
暑さや寒さに強く、
環境適応力高い
毛色は白黒の斑
大きな体で、雌は乳房が発達
しており、乳量が多い
肉質
「霜降り肉」になりやすい
柔らかく脂肪が細かい
早熟早肥
筋繊維がきめ細かく
柔らかい
筋繊維が粗い
筋繊維が粗い
赤身が多く淡白な味
ホルスタインは乳用種だけど、オスは去勢して肉用牛として利用されるよ!

牛肉の違い(部位)

スーパーや小売店では牛肉を部位別に販売しています。それぞれの部位によって特徴があり、味や食感、適した調理方法が異なります。最近は、分かりやすいように「カレー用、ステーキ用」など用途を記載して販売しているお店もありますね。

牛肉の違い(部位)

代表的な部位

  • 肩ロース

    きめが細かく旨みが濃い。薄切りにしてすき焼き、焼肉に。

  • サーロイン

    柔らかくサシが多い。ステーキ、しゃぶしゃぶ、すき焼きにおすすめ。

  • ヒレ

    脂肪分が少ない。健康志向の方向けのステーキに最適。ビーフカツなどの揚げ物にも。

  • バラ(トモバラ)

    あばら骨についた肉。赤身と脂身が層となり交互に重なって濃厚な味わい。カレー、シチューなどの煮込み料理や牛丼にも。

  • 外モモ

    全体的にきめは粗く、肉質は固め。カレー、シチューなど煮込み料理に。

作りたい料理に合った部位を選んで、ぼくの美味しさを引き出してね!

牛肉の違い(取引規格)

食肉市場では、全部で15の等級に格付けされ、取引をする際の価格の目安になります。
肉質は1〜5、歩留はA〜Cのランクに分けられます。

肉質等級(サシ、色、きめなど)

良い

良い

肉質等級(サシ、色、きめなど)

良い
  • 良い
等級
5
4
3
2
1
A
A-5
A-4
A-3
A-2
A-1
B
B-5
B-4
B-3
B-2
B-1
C
C-5
C-4
C-3
C-2
C-1

※「歩留等級」は、枝肉から取れるお肉の割合を指します。

(公益社団法人日本食肉格付協会より引用)

好みもあるけど、一般的には格付けが高いほど美味しいお肉と言われているよ!

牛肉の栄養

牛肉には良質なタンパク質やミネラル(特に鉄分・亜鉛)が豊富に含まれています。それぞれどのような栄養素なのか見ていきましょう。

[タンパク質]

  • 動物性タンパク質が体をつくる

    牛肉に含まれる動物性タンパク質は、人間が体内で作ることのできない9種類の「必須アミノ酸」が、植物性タンパク質よりもバランスよく含まれています。必須アミノ酸が1つでも不足すると、生成できるタンパク質の量が少なくなってしまいます。

  • 骨の成長に必須

    「骨を丈夫にする」のはカルシウムですが、「骨を伸ばす」のはタンパク質です。タンパク質は軟骨細胞の原料となりますが、この細胞に成長ホルモンが働きかけると、軟骨細胞が増殖して骨が伸びます。

骨の成長に必須 骨の成長に必須

[ミネラル:鉄分(必須ミネラルの1つ)]

  • 血液を作る

    ●鉄分は血液の主成分である赤血球を作る大切な栄養素ですが、現代人に不足しがちなため、意識して摂取することが重要です。

    ●牛肉の赤い色合いはミオグロビンといわれる色素タンパク質の影響によるものです。
     このミオグロビンには、ヘム鉄という体に吸収しやすい鉄分が豊富に含まれています。

血液を作る 血液を作る

[ミネラル:亜鉛(必須ミネラルの1つ)]

  • 発育を促す

    亜鉛はタンパク質を合成したり、分解したりする役割を持っています。脳の発達や全身の成長は、この合成と分解を繰り返して行われます。

  • 免疫強化

    亜鉛には細胞分裂や新陳代謝を促す働きがあるため、適量を摂取すると免疫細胞が活性化して免疫力を高める効果があります。

  • 味覚を正常に保つ

    味覚を正常に保つ 味覚を正常に保つ

    牛肉と一緒に食べることで、体によい効果が期待できる食材があります。献立を考える際の参考にしてみてください。

一緒に食べるとよい食材

  • ●魚、たまねぎ、だいこん、パプリカ、ごま
  • ●ブロッコリー、ほうれんそう、じゃがいも
  • ●梅干し、レモン

期待できる効果

  • ●タンパク質の消化や働きを助ける筋肉
     や骨を作る
  • ●鉄分の吸収を助ける
     貧血予防、傷の回復促進
  • ●亜鉛の吸収を助ける
     アンチエイジング、免疫力の向上

牛肉博士テスト いくつ正解できるかな!? いくつ正解できるかな!?

それぞれ3つの選択肢の中から一つ答えを選択して、最後に答え合わせをしてみよう!

国産の肉用牛は主に何を食べている?
  • 雑穀飼料
  • 動物質性飼料
  • 配合飼料
和牛を育てる期間はどのくらい?
  • 10ヶ月
  • 20ヶ月
  • 30ヶ月
国内で「和牛」と表示して販売されている牛肉の品種は?
  • アバディーン・アンガス
  • 黒毛和種
  • ホルスタイン
サシが多く、ステーキに適した部位はどこ?
  • 肩ロース
  • 外モモ
  • サーロイン
牛肉に多く含まれる、私たちの骨の成長に重要な栄養素は?
  • カルシウムとタンパク質
  • カルシウムとミネラル
  • 脂質とミネラル
答え合わせをする これでキミも牛肉博士だ! これでキミも牛肉博士だ!

牛肉編のまとめ

  • 牛肉が食卓に届くまでにはたくさんの人が働いているよ!

    牛はもちろん、牛肉の生産・運搬・販売などにかかわる全ての人に感謝の気持ちを持って
    食事の前には「いただきます」をしよう

  • 産地、品種、部位、等級など色々と違いがあるよ!

    違いを知って料理や好みに合った牛肉を選ぼう

  • 牛肉には色々な栄養があるよ!

    栄養バランスを考えて食べよう

かんたん牛肉レシピ

低温調理で柔らかステーキ

画像はイメージです

  • 材料(2人分)

    牛ステーキ肉(サーロイン、ヒレなど)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・300g(厚さ1.5cm)
    塩・こしょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
    しょうゆ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ2
    みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ2
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
    にんにくすりおろし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ2

    牛ステーキ肉(サーロイン、ヒレなど)・・・・・・300g(厚さ1.5cm)
    塩・こしょう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
    しょうゆ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ2
    みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ2
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
    にんにくすりおろし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ2

  • 作り方

    ①常温にしたお肉を耐熱性のビニール袋に入れる
    ②お肉が入る位の大きな鍋に68℃のお湯をたっぷり沸かし火を止める
    ③キッチンペーパーを敷き、袋ごと肉をお湯に沈める
    ④お湯の温度が50℃以下になったら、火をつけ65℃まで加熱して止める
    ⑤③から1時間たったら、袋からお肉を取り出し塩・こしょうをふる
    ⑥予熱したフライパンで強火で片面1分ずつ焼いた後お皿に盛る
    ⑦しょうゆ、みりん、酒、にんにくすりおろしを混ぜ合わせ、ガーリックソースを作る
    ⑧ステーキを焼いたフライパンに袋の肉汁と⑦を合わせ、とろみが付くまで煮詰める
    ⑨お皿に盛ったステーキにかける

牛肉しぐれ煮

画像はイメージです

  • 材料(2人分)

    牛切り落とし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・200g
    ごぼう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・½本
    生姜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30g
    白ネギ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量

    牛切り落とし・・・・・・・・・・・・・・・・200g
    ごぼう・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・½本
    生姜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30g
    白ネギ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量

  • 調味料

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ3
    しょうゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
    みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
    砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ3
    しょうゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
    みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
    砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2

  • 作り方

    ①野菜類は全て洗い、ごぼうはささがきに、白ネギは細かく刻み、生姜は皮をむいて千切りにする
    ②牛肉は5cm幅に切る
    ③鍋に生姜と調味料を入れ中火にかける
    ④沸騰したらごぼうと牛肉を入れ、汁気がなくなるまで弱火で煮込む
    ⑤器に盛り、白ネギをちらして完成

和牛と輸入牛で食べ比べしてもいいね!