– 食について知る・学ぶ –
鶏肉編
鶏肉が食卓に届くまで(農場編)
【レイヤー(採卵鶏)との違い】
卵を産むのはメスのみであるため、多くのレイヤー(採卵鶏)の養鶏場ではメスのみ飼育されますが、ブロイラー(肉用鶏)はオス・メス両方を飼育し、鶏肉を生産しています。
種鶏場は質の高い卵を採るための場所です。健康な鶏は健康な卵から生まれます。種鶏となる雛を育成した後、専門の飼育指導員が常に鶏たちの健康をチェックしながら、卵を産ませています。
種鶏場で産まれた卵はふ卵場へと運ばれます。ふ卵機を用いて温度・湿度をコンピューターで制御し、卵の健康を管理します。これにより健康で元気な雛が誕生します。
ふ卵場で生まれた雛は、健康状態をチェックした後、ブロイラー飼育農場に運ばれます。この農場では、飼料をはじめ飼育環境にいたるまで、徹底した健康・衛生管理を行います。50日程度かけて約3kgに成長するまで飼育し、食鳥(しょくちょう)処理場に届けます。
おいしい鶏肉ができるように、成長段階ごとに栄養バランスが考えられた配合飼料を与えています。
消化器官、骨格、筋肉を発達させるため、タンパク質が豊富な飼料を与えます。
3週齢から成⾧を加速させるため、エネルギーも高めたバランスの良い飼料を与えます。
ジューシーで美味しい鶏肉となるよう、出荷前の「仕上げ」としてエネルギーが更に高い飼料を与えます。
鶏肉が食卓に届くまで(食鳥(しょくちょう)
処理場~加工場編)
食鳥処理場では、ブロイラー飼育農場から届けられた鶏が病気にかかっていないかどうかを確認するために、食鳥検査が行われます。
安全であることが確認された鶏は、新鮮さを保つために徹底された温度管理下で素早く処理・加工され、私たちが食べているもも肉、むね肉、ささみ、手羽先などとしてスーパーや飲食店に出荷されます。
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①放血(ほうけつ)・
脱羽(だつう)・
内臓処理
(ないぞうしょり) -
②解体(かいたい)
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③計量(けいりょう)・
包装(ほうそう) -
④冷却処理
(れいきゃくしょり)
や箱詰め -
⑤出荷
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⑥飲食店やスーパーへ
鶏肉の違い(ブロイラーとは)
私たちがよく食べている鶏肉用の鶏は「ブロイラー」と呼ばれ、成長が早くしっかりとお肉がつくように肉専用種をかけあわせた肉用若鶏です。
ここがPOINT
ブロイラー
出荷できるまで短期間で成長できる肉用の若鶏。スーパーで見かける鶏肉の多くはブロイラー。
飼育期間は46日~52日程度。
銘柄鶏
飼料、飼育環境、飼育日数などを工夫して育てることにより、一般的なブロイラーよりも風味などに特徴を付けた鶏。
飼育期間は46日~80日程度。
地鶏
日本在来種の血統が50%以上あるもの。飼育期間は80日以上。
鶏肉の部位ごとの特徴
部位に合った調理方法でおいしくいただきましょう!
部 位 | 特 徴 |
---|---|
手羽 | ・鶏の翼の部分で、手羽先と手羽元に分かれる ・肉質は柔らかく皮付きで販売され、適度な脂肪やコラーゲンがあり濃厚な味わい |
むね | ・タンパク質が多く、脂肪が少なめであっさりしている ・肉質は柔らかい |
もも | ・筋肉質でやや固いが、旨味とコクがある |
ささみ | ・牛や豚でいうヒレの部分で、タンパク質が最も多い部位 ・鶏肉の部位の中で脂肪が最も少ない |
皮 | ・脂肪が多く、味も濃厚で旨味が強い |
レバー | ・肝臓。ビタミンAや鉄分を多く含む |
砂肝 | ・胃の筋肉の部分で、コリコリとした歯触りが特徴 ・内臓の中でもクセが少なく、タンパク質が豊富 |
新鮮でおいしい鶏肉を選ぶために、2つのポイントに注目してみましょう!
新鮮なうちはひだが寄って、毛穴も盛り上がっていますが、時間が経つと、毛穴が閉じて平らになります。
新鮮で水分をたっぷり含んだ肉は、表面にハリがあります。
鮮度が落ちると、「ドリップ」という旨み成分を含む水分が出てきてしまいます。
購入した鶏肉にドリップが見られた場合は、よく加熱すれば食べても問題ありませんが、おいしさと安全のため、調理前にキッチンペーパーなどでふき取るのがおすすめです。
鶏肉の栄養
タンパク質
鶏肉の部位の中でも「むね肉」に特に多く含まれており、エネルギー源となる栄養素です。
畜種 | 部位(生の場合) | 可食部100g当たりのタンパク質(g) | 可食部100g当たりの脂質(g) |
---|---|---|---|
鶏 | むね(皮つき) | 21.3 | 5.9 |
もも(皮つき) | 16.6 | 14.2 | |
ささみ | 23.9 | 0.8 | |
豚 | ロース | 18.3 | 22.6 |
牛 | ばら(カルビ) | 11.0 | 50.0 |
ビタミンA(レチノール)
レチノールはビタミンAの一種です。
目や皮膚の粘膜を健康に保ち、免疫力(めんえきりょく)を高める役割や、暗いところでの視力を保つ働きがあります。
鶏皮や鶏レバーに多く含まれているほか、手羽先やもも肉は皮つきのまま食べると、ビタミンAをより多く摂取することができます。
部位(生の場合) | 可食部100g当たりのレチノール含有(がんゆう)量(µg) |
---|---|
むね(皮つき) | 18 |
もも(皮つき) | 40 |
ささみ | 5 |
肝臓(レバー) | 14000 |
皮(むね、もも) | 120 |
イミダゾールジペプチド
2つのアミノ酸がつながったイミダゾールジペプチドは動物の筋肉に多く含まれる物質で、疲労回復や運動パフォーマンスの向上効果があると言われています。
鶏肉の消費量
日本では、鶏肉の一人当たりの年間消費量は年々増加しており、鶏肉・豚肉・牛肉の中で最も多くなっています。
これは、健康志向や低価格志向の高まりが影響しているためであると言われています。
ビタミン類も豊富で良質なタンパク源である鶏肉は、健康的な食生活に欠かせない食材となっています。
鶏肉を使ったご当地グルメ
鶏肉は全国各地で親しまれている食材で、地域によっていろいろな食べ方があります。
鶏肉博士テスト
それぞれ3つの選択肢の中から一つ答えを選択して、最後に答え合わせをしてみよう!
- 1kg
- 3kg
- 5kg
- 配合飼料を与えない
- エネルギーが高い配合飼料を与える
- カルシウムが豊富な配合飼料を与える
- 短期間で早く育つ
- 卵をたくさん産ませるための鶏
- 肉付きが良い
- しっかりとした弾力がある
- 皮の毛穴が盛り上がっている
- ドリップがたくさん出ている
- タンパク質
- ビタミンK
- ビタミンA
かんたん鶏肉レシピ
パリッと鶏の照り焼き(1枚分)
画像はイメージです
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材料(1枚分)
鶏もも肉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1枚
サラダ油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
★片栗粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
★塩コショウ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
●しょうゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
●みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
●酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
●砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1 -
作り方
①ビニール袋に★と鶏もも肉を入れて全体に粉をまぶしたら、袋から取り出し、余分な粉を落とす
②フライパンを熱し、サラダ油を入れたら鶏もも肉の皮の面を下にして、きつね色になるまで中火で焼く
③裏返して、同じくきつね色になるまで中火で焼く
④余分な脂はキッチンペーパーでふき取り、再び皮の面を下にして、あらかじめ混ぜ合わせた●を入れて中火で煮詰める
⑤照りが出て、タレにとろみがついたら完成
揚げないささみスティック(2人分)
画像はイメージです
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材料(2人分)
ささみ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4本
サラダ油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ3
★マヨネーズ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
★酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
★しょうゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ2
★にんにくチューブ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3cm
★塩コショウ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
●薄力粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
●片栗粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1 -
作り方
①ささみは筋を抜き、縦に半分に切り、★を揉みこんで10分ほど置く
②●を①にまぶす
③フライパンを熱し、サラダ油を入れたら②を重ならないように並べ、両面がカリッとするまで中火で焼いたら完成