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魚編

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天然と養殖の違い

天然魚=獲った魚

海や川などに生息している魚を捕獲します。(漁)

■漁の種類

それぞれの魚の習性を利用し、効率的な方法で捕獲しています。

【例1:まき網】

イワシなどの回遊する魚群を、網ですばやく包囲して獲る。

【例2:底びき網】

袋状の網を船でひき、海底付近にいる魚・甲殻類を獲る。

養殖魚=育てた魚

人の手で卵または稚魚から成魚まで大きく育てます。

■養殖の種類

養殖:稚魚をいけすで成魚になるまで育てること。
完全養殖:人工ふ化させた卵を親魚まで育て、その親魚が産んだ卵をふ化~稚魚~成魚まで育てること。

いけす 受精卵採集 → 種苗生産 → 海上いけすにて育成 → 出荷/産卵 → 受精卵採集

世界の水産資源

  • 経済成長や人口増加などにより世界で水産物需要が増加し、自然で繁殖する量や速さを上回って漁獲量が急増しています。これにより天然の水産資源は減少しつつあり、このままでは将来的に天然資源が枯渇する恐れがあります。
  • また、特定の魚種が漁獲されることにより生態系が崩れ、漁獲されない他の魚種までもが個体数減少の恐れがあります。
  • 天然の水産資源は限りがあるため、近年の水産物需要の拡大は養殖が補っていますが、特に完全養殖では稚魚の生産まで行うため、水産資源の保全に役立っています。

天然魚と養殖魚の違い

「天然魚」は広い海や川で育つので、運動量が豊富で身が引き締まっているのが特徴です。
一方、どこで育ったか、何を食べているのかわからないという一面もあります。
「養殖魚」はいけすの環境を人が管理しており、食べている飼料も同様に管理され、安全が確保されています。
天然魚と養殖魚は育った環境や食べたものにより味などが異なるため、好みに合わせて食べるようにしましょう。

天然魚 養殖魚
食べ物 天然の小魚など 配合飼料など
環境 広大な海や川など
いけすの中
特徴 ・筋肉質
・旬がある
・魚種が豊富
・脂が乗っている
・味や食感を飼料により調節できる
・日持ちしやすい
・旬に関わらず美味しい
・年間を通して安定的に生産できる

魚が食卓に届くまで(天然魚・養殖魚編)

天然タイの場合

完全養殖タイの場合

出荷まで約7~8年

日本沿岸は海流の潮目が多いことから、天然タイの漁獲量が豊富です。

エビやカニなどを主食として約7~8年かけて市場に出回る大きさまで成長します。

海で網や竿を使用し、タイ(成魚)を獲ります。

出荷

出荷まで約2年

稚魚育成

タイの親魚からとった卵をふ化させ、ふ化した稚魚を屋内の施設で育てます。

40mm/45日齢

中間育成

4cm程に育ったタイの稚魚を沖合のいけすへ移送し、8cmまで育てます。

成魚育成

更に広い沖合のいけすに移し、1~2kg(体長30~40cm)になるまで育てます。

飼料について詳しく知る

出荷

養殖の場合は、栄養豊富な配合飼料により出荷サイズまで天然よりも短い期間で成長します。

魚が食卓に届くまで(市場編)

天然魚や養殖魚は活魚車や保冷車などで市場に運ばれます。
市場ではせりを経てスーパーや魚屋、飲食店などに運ばれていきます。

漁業事業者・生産者

漁業協同組合連合会や出荷業者が生産者に代わって卸売(おろしうり)市場へ販売します。

卸売市場

少数の卸売業者と、多数の仲卸(なかおろし)業者により、公正に取引されます。
取引では、魚の大きさや品質、鮮度などがチェックされます。
せり落とされた魚は、活魚車や保冷車で運ばれます。

魚屋・スーパーへ販売

新鮮な状態で切り身・刺身などに加工され、魚屋・スーパーに並びます。

この他にも様々な流通経路があるよ。

天然と養殖の違い(種類)

魚の種類により、天然魚を中心に漁獲されているものと、養殖が盛んに行われているものに分かれます。
天然で漁獲される量が少ない比較的高級な魚は、養殖により労力と費用をかけて育てられています。
日本ではブリとタイが養殖生産量の約8割を占めます。

天然漁獲量 合計2,734,931t(令和4年)
養殖生産量 合計237,428t(令和4年)

※漁獲量は「魚類」のみの数量
※引用:水産庁(令和4年)

みんなも魚屋やスーパーで養殖魚をたくさん見かけているはず!意識してみてみよう!配合飼料が養殖魚の安定的な生産を支えているんだね。豊かな海を守るためにも養殖を応援したい!

魚の栄養

①頭と目のまわり ビタミンA,DHA さらに細かな栄養素に着目すると、魚には私たちの健康に欠かせない栄養が多く含まれています。  目をよくしたい→タウリン にきびが気になる→ビタミン 血液をサラサラにしたい→EPA(IPA) 頭がよくなりたい→DHA 元気な体を作りたい→タンパク質 骨や歯を丈夫にしたい→カルシウム

[タウリン]

  • タウリンは魚類(心臓・ひ臓・血合肉) 、貝類、軟体動物などに多く含まれています。
  • 人間の体内でも作り出すことができますが、必要量には足りないため、食品から取り入れる必要があります。
  • タウリンは人間の生命維持に不可欠な栄養素と考えられており、主に次のような働きがあります。

タウリンの働き

・血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす。
・血圧を下げ、正常に保つ。
・肝臓の機能を高める。
・インスリン分泌を促進するため、糖尿病の予防と治療に有効。
・視力の衰えを防ぎ、新生児の脳や網膜の発育を助ける。

タウリンの効果

・肝臓の細胞を保護する。
・アセトアルデヒドの処理を助ける。
・飲酒による心拍数の増加を抑える。
・活性酸素を消去し細胞障害を防止する。
・胆汁酸の分泌を促進し、過剰なコレステロールを排泄。

[DHAとEPA(IPA)]

DHA EPA(IPA) DHAとEPAは天然魚より養殖魚に多く含まれている!

〜魚と相性のよい食材〜

一緒に食べると
よい食材

期待できる効果

たまねぎ、ニンニク、にら、ねぎ ・DHA、EPA(IPA)との相乗効果
・血液サラサラ効果UP
ごま、キャベツ、にんじん、ほうれんそう ・DHA、EPA(IPA)の酸化防止
・集中力UP
かんきつ類、梅干し ・カルシウムの吸収率向上
・骨を強くする
島国の日本では昔からよく魚を食べてきたよ。最近では魚より肉を多く食べるようになってしまったけど、どちらも必要!みんなも積極的に魚を食べてね!

魚博士テスト いくつ正解できるかな!? いくつ正解できるかな!?

それぞれ3つの選択肢の中から一つ答えを選択して、最後に答え合わせをしてみよう!

養殖魚は主に何を食べている?
  • 配合飼料
養殖魚の特徴はどれ?
  • 漁で捕獲される
  • たくさんの種類がある
  • 運動量が豊富
  • 天然資源への負荷が少ない
国内で最も多く養殖されている魚は?
  • ブリ
  • タイ
  • マグロ
  • サケ
DHAは脳の発達や発育に役立ちますが、魚のどの部位に多いでしょう?
  • 頭と目の周り
  • 普通肉
  • 内臓
魚の栄養の特徴で間違っているものはどれ?
  • 良質なタンパク質が豊富
  • 機能性成分を多く含む
  • 低カロリー
  • 日本ではあまり食べないので長寿国になったといわれる
答えをみる
これでキミも魚博士だ!

かんたん魚レシピ

揚げないぶりの中華風竜田揚げ(2~3人分)

画像はイメージです

  • 材料(2人分)

    ぶりの切り身・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2〜3切れ
    片栗粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
    サラダ油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量

  • ★タレ

    しょうゆ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2と1/2
    オイスターソース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2と1/2
    レモンペッパー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
    ラー油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
    砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
    五香粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1/2
    レモン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・半分

  • 作り方

    ①ぶり一口大に削ぎ切りし、ビニール袋に入れ★タレを入れて10分漬ける
    ②ぶりを袋から出し、両面に片栗粉をふる
    ③フライパンにやや多めのサラダ油を入れて熱し、ぶりを両面きつね色になるまで焼く
    ④器に盛り、くし型切りをしたレモンを添える