– 食について知る・学ぶ –
豚肉編
豚肉が食卓に届くまで(と畜~加工場編)
農場から出荷された豚はと畜場で枝肉になり、加工場で専門の職人さんにより素早く丁寧にカットされます。
食肉衛生検査を経て、合格品が豚肉として出荷され、小売店や飲食店に運ばれます。
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①枝肉加工・熟成
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②脱骨・整形
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③包装
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④冷却処理や箱詰め
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⑤出荷
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⑥飲食店やスーパーへ
豚肉の違い(品種)
豚の純粋種は主に6種類です。
それぞれ特徴が異なり、体が大きく1頭からとれる肉が多い(産肉性が高い・優れる)品種や、産子数が多い(繁殖性が高い・優れる)品種がいます。これらの品種を交配して生産した豚肉を私たちは食べています。
品種 | 中ヨークシャー | 大ヨークシャー | ランドレース | デュロック | ハンプシャー | バークシャー |
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外見 | ※1 | ※1 | ※1 | ※1 | ※2 | ※1 |
特徴 | 発育が遅く、やや小ぶり。肉質が良い。 | 産肉性、繁殖性ともに高い。主に母豚として利用される。 | 体格が大きく、繁殖性が高い。 | 体格が大きく、繁殖性はやや劣る。筋肉内脂肪量(サシ)が多い。 | 産子数はやや少ない。背脂肪が薄く、筋肉量が多い。 | 飼育期間が長く、体格は小柄。食味に優れる。 |
(※1写真提供:独立行政法人家畜改良センター)
(※2写真提供:一般社団法人日本養豚協会)
一般豚(三元豚)について
日本で飼育・販売されている豚肉のほとんどは「三元交雑種(三元豚またはLWD)」です。
繁殖性や産肉性、肉質等のバランスをとることを目的として交配されます。
三元豚はLWD以外にも、LDK(K:金華豚)やLDB(B:バークシャー)など、肉質にこだわった組み合わせもあります。
豚肉の違い(飼料による差別化)
ブランド豚(銘柄豚)は日本に400銘柄以上あり、地域固有の品種や飼養管理方法の違いによるものもありますが、与える飼料の違いによって差別化を図ったものが主流となっています。
(資料参照 銘柄豚肉ハンドブック2014 食肉通信社)
豚肉の違い(部位)
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肩ロース
きめがやや粗く固め。ロースより脂が多めでコクがある。とんかつ、カレー、生姜焼きなど和洋中幅広い料理に。
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モモ
脂肪が少なくきめ細かい赤身肉。ヒレの次にビタミンB1が豊富。ローストポークや煮込み料理に。
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バラ
赤身と脂肪が層になっていて、三枚肉とも呼ばれる部位。こってり濃厚な味でカレーや角煮、炒めものなどに。
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肩
きめがやや粗く固めで脂肪も多少あり。お店では小間切れやミンチとして販売されることが多い。煮込むと旨味がでる。
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ヒレ
1頭からとれる量がすくなく貴重な部位。豚肉中で最もきめが細かく柔らかい。脂肪は少なく、ビタミンB1が豊富。とんかつ、ソテーなど油を使う料理に。
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ロース
きめが細かく柔らかい。適度な脂肪がついた、赤身と脂身のバランスの良い部位。外側の脂肪に旨味がある。とんかつ、しゃぶしゃぶなどに最適。
豚肉の栄養
①タンパク質
豚肉は人にとっての必須アミノ酸をバランスよく豊富に含み、吸収性にも優れた良質なタンパク質源です。
9種類の必須アミノ酸について、詳しくは牛肉編-7をご覧ください。
②脂質
豚肉の脂質は体内で分解され、効率のよいエネルギー源となります。
脂質には体を構成する重要なコレステロールのほか、血清コレステロール値を正常に保つというステアリン酸やオレイン酸が豊富に含まれます。※1
(※1【引用文献】:『豚肉のチカラ』日本食肉消費総合センター)
③ビタミンB群
食品の中でも、ビタミンB群は豚肉に最も豊富に含まれており、特にヒレやモモに多い栄養素です。※2
ビタミンB1はヒトが糖質をエネルギーに変える際に必要なビタミンで、エネルギーが十分作れないと疲れやすくなることもあります。
ビタミンB6は免疫機能や皮膚粘膜の健康維持に関与しています。※3
よく運動をする方や肌荒れが気になる方は豚肉を積極的に摂るのがおすすめです。
(※2【引用文献】:日本食品標準成分表2015年版(七訂))
(※3【引用文献】:日本人の食事摂取基準(2020年版))
④豚肉と相性のよい食材
豚肉の栄養を効果的に体に摂り入れるために、豚肉と一緒に食べると良い食材があります。
是非、意識して食べてみてください。
一緒に食べるとよい食材 |
期待できる効果 |
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たまねぎ、ニンニク、にら、ねぎ | ●ビタミンB1吸収率向上 ●疲労回復、体力増強 |
にんじん、ほうれんそう、かぼちゃ | ●ビタミンB6との相乗効果 ●免疫力向上 |
パプリカ、ブロッコリー、じゃがいも | ●ビタミンB2との相乗効果 ●肌荒れ予防 |
豚肉博士テスト
それぞれ3つの選択肢の中から一つ答えを選択して、最後に答え合わせをしてみよう!
- 米
- 肉
- 魚
- 配合飼料
- 7日
- 30日
- 180日
- 365日
- ランドレース
- 三元豚
- バークシャー
- アグー豚
- 肩
- バラ
- ロース
- モモ
- 炭水化物
- ビタミンB群
- カルシウム
- マグネシウム
かんたん豚肉レシピ
生姜焼き
画像はイメージです
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材料(2~3人分)
豚ロース・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・300g
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★タレ
生姜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1かけ
砂糖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・小さじ1
酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
しょうゆ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2 -
作り方
①肉を軽く焼く。
②混ぜておいた★タレを入れ、タレがほとんどなくなるまで焼く。
豚肉とじゃがいもの甘辛ガーリック炒め
画像はイメージです
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材料(2人分)
豚バラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100g
じゃがいも・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2個
塩コショウ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
ニンニク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1かけ -
★タレ
醤油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ3
みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
砂糖 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2
酢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2 -
作り方
①じゃがいもは皮つきのまま8等分に切り、濡れたペーパーとラップにくるみ、500Wで3分加熱する。
②ニンニクを薄切りにする。
③豚肉は塩コショウを振り、下味をつける。
④フライパンに豚肉とニンニクを入れ、弱火でじっくり炒める。
⑤油にニンニクの香りが移ったら柔らかくなったじゃがいもを入れ、焼き色がつくまで炒める。
⑥★タレを加え、全体にからませるようにして炒め煮る。